センター長挨拶
OHRCセンター長 堀内基広
ワンヘルスの概念は、19世紀にドイツの病理学者のウイルヒョウ博士が、人獣共通感染症を定義し、医学と獣医学の間に境界線があるべきではないことを提唱したことに起源があると言われています。COVID-19パンデミックは新興感染症の脅威を社会に再認識させました。薬剤耐性問題もサイレントパンデミックとして社会を脅かしています。さらに、農薬や化学物質におる環境破壊、開発や土地利用の変化による生物多様性の喪失、気候変動、食料安全保障など、人類は多くの課題を抱えています。現代に生きる我々はこのような課題を克服し「ヒトおよび動物の健康ならびに健全な生活環境を次世代に繋ぐ」使命があります。そのためには、関連する多くの学問領域、職域が連携・協働する取り組み(ワンヘルスアプローチ)」が必要です。2023年10月、北海道大学は「ヒトと動物の健康および環境の健全性を一つのもの」と捉えるワンヘルスの理念の下、感染症学、獣医学、医薬保健科学、環境科学、人文社会科学系が集う総合大学として、ワンヘルスの総合的な教育研究を推進する学内共同施設「One Healthリサーチセンター」を設置しました。本センターでは、「感染症」、「環境科学・保全医学」、「汎動物学」、および「ヒトと動物の絆・動物福祉」、を教育研究の4つの柱に据えて、本センターが掲げるビジョン「健全な生活環境を次世代に引き継ぐ」を常に意識して、多角的な教育研究活動ならびに人材育成を進めて参ります。
本センターは「One Health for One Future」をスローガンに、「ヒトと動物の健康および環境の健全性」を維持し、ヒトおよび動物のウェルビーイングを追求するため、地域、国、あるいはグローバルに、ワンヘルスを目指す国内外の大学、研究機関、行政機関、民間機関などと良好なパートナーシップを形成しつつ、教育研究ならびにアウトリーチ活動を通じて社会に貢献する所存ですので、ご支援ならびにご指導ご鞭撻賜りますようお願いいたします。
沿革
- 2018年 北海道大学動物医療センター内にOne Healthリサーチセンターの前身となるトランスレーショナルリサーチ推進室を設置。
- 2021年3月 学内共同プロジェクト拠点としてOne Healthリサーチセンターが発足。
- 2023年10月 学内共同施設 (研究施設) としてOne Healthリサーチセンターを設置、センター内に研究開発部門、高度診断検査部門、統合データベース部門、社会連携部門を設置。
-One Health for One Futureを目指して- 北海道大学One Healthリサーチセンター
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